会計ソフトの情報漏えいが不安な方へ|契約前に見る7項目

会計ソフトのセキュリティ確認項目を示す図解 会計ソフト

※本記事には広告・PRを含みます。掲載内容は公式情報をもとに確認していますが、機能や利用条件は変更される可能性があります。導入前に各サービスの最新情報をご確認ください。

会計ソフトのセキュリティは、サービス名だけで「安全」「危険」と判断できるものではありません。
確認すべきなのは、サービス提供会社の対策だけでなく、二要素認証や権限設定などを自社で適切に運用できるかどうかです。バックアップや解約後のデータ取得方法まで確認しておく必要もあります。
この記事では、会計ソフトを導入する前に確認したい7つの項目と、利用者側で実施したい対策を整理します。
料金や機能を含めて候補を選びたい方は、先に「クラウド会計ソフトおすすめ比較」も確認してください。

  1. 会計ソフトのセキュリティは大丈夫?
  2. 会計ソフトで想定したい5つのセキュリティリスク
    1. 1.ID・パスワードの漏えいと不正ログイン
    2. 2.ユーザー権限の設定ミス
    3. 3.端末の紛失やマルウェア感染
    4. 4.操作ミスや障害によるデータ消失
    5. 5.サービス停止や解約後にデータを取得できないリスク
  3. 会計ソフト導入前に確認したいセキュリティ項目7つ
    1. 1.通信中と保存中のデータが暗号化されるか
    2. 2.二要素認証などの追加認証を利用できるか
    3. 3.ユーザー権限と操作履歴を管理できるか
    4. 4.バックアップと復旧方法が明確か
    5. 5.第三者認証や監査報告書の対象を確認できるか
    6. 6.障害やインシデントの告知体制があるか
    7. 7.利用規約と解約後のデータ取扱いを確認できるか
  4. クラウド型とインストール型はどちらが安全?
  5. 主要会計ソフトを比較するときの確認表
  6. 利用者側で実施したい7つのセキュリティ対策
  7. 会計ソフト導入前のセキュリティチェックリスト
  8. 会計ソフトのセキュリティに関するよくある質問
    1. クラウド会計に銀行のログイン情報を登録しても大丈夫ですか?
    2. 無料プランと有料プランで安全性は変わりますか?
    3. 二要素認証を設定すれば十分ですか?
    4. クラウド会計でも自分でバックアップすべきですか?
    5. 従業員が退職したときは何をすべきですか?
    6. セキュリティ認証を取得しているサービスなら安全ですか?
    7. サービス障害に備えて何を準備すべきですか?
  9. まとめ|安全という言葉より確認項目で判断しよう

会計ソフトのセキュリティは大丈夫?

主要な会計ソフトでは、暗号化や追加認証などのセキュリティ対策に関する情報が公式サイトで公開されています。
ただし、どのサービスでも情報漏えいやデータ消失の可能性を完全にゼロにできるとは限りません。また、サービス側が対策していても、利用者が同じパスワードを使い回したり、退職者のアカウントを残したりすると不正アクセスのリスクが高まります。
安全性を判断するときは、次の3つを分けて考えることが大切です。

  • サービス側の対策:暗号化、監視、バックアップ、第三者認証など
  • 利用者側の対策:二要素認証、権限管理、端末管理など
  • 契約・継続性:障害時の対応、データ出力、解約後の取扱いなど

「有名な会計ソフトだから大丈夫」と決めつけず、自分の事業で必要な水準を満たしているか確認しましょう。

注意点

第三者認証を取得していることや、暗号化を採用していることは重要な判断材料です。ただし、それだけで事故が起きないことを保証するものではありません。認証の対象会社・対象サービス・対象期間も確認してください。

会計ソフトで想定したい5つのセキュリティリスク

1.ID・パスワードの漏えいと不正ログイン

フィッシングメールやパスワードの使い回しなどにより、第三者にログイン情報を知られる可能性があります。
不正ログインされると、会計データの閲覧や変更だけでなく、登録された取引先情報などに影響が及ぶ可能性もあります。パスワードだけに依存せず、二要素認証などの追加認証を利用できるか確認しましょう。

2.ユーザー権限の設定ミス

複数人で会計ソフトを利用する場合、全員に同じ権限を与えると、必要以上の情報を閲覧・変更できる状態になる可能性があります。
従業員の担当業務に応じて権限を分けられるか、誰がどの操作を行ったか確認できるかが重要です。退職者や外部委託先のアカウントをすぐ停止できる運用も必要です。

3.端末の紛失やマルウェア感染

クラウド会計ソフトのデータが端末内に保存されていなくても、ログイン中のパソコンやスマートフォンを紛失すれば、不正に操作される可能性があります。
端末の画面ロック、OSやブラウザの更新、セキュリティソフトの利用など、会計ソフト以外の対策も欠かせません。

4.操作ミスや障害によるデータ消失

入力内容の誤削除、データの上書き、端末故障、サービス障害などにより、必要な情報を利用できなくなる可能性があります。
サービス側のバックアップだけでなく、利用者が帳簿や仕訳データを出力できるか、どの形式で保存できるかも確認しておくと安心です。

5.サービス停止や解約後にデータを取得できないリスク

サービスの提供終了や契約終了により、過去の会計データを閲覧できなくなる可能性も考慮する必要があります。
解約後の閲覧期間、データの保存期間、エクスポートできる項目や形式はサービスごとに異なる可能性があります。契約前だけでなく、解約前にも最新の利用条件を確認してください。

会計ソフト導入前に確認したいセキュリティ項目7つ

1.通信中と保存中のデータが暗号化されるか

まず確認したいのは、利用者の端末とサービス間の通信や、保存された重要情報がどのように保護されるかです。
公式サイトのセキュリティページやプライバシーポリシーで、次の項目を確認します。

  • 通信を暗号化しているか
  • IDやパスワードなどの重要情報を保護しているか
  • 金融機関のログイン情報をどのように扱うか
  • 保存データに関する説明があるか

たとえばfreeeは、パスワードやID、金融機関へのログイン情報などを暗号化して保護・保存していると公式ヘルプで説明しています。ただし、対象範囲や最新の運用状況は導入時に公式情報で再確認してください。freeeの公式セキュリティ情報

2.二要素認証などの追加認証を利用できるか

パスワードが漏れた場合に備え、二要素認証やパスキーなどを利用できるか確認しましょう。
チェックしたいのは、単に機能があるかどうかだけではありません。

  • 利用者ごとに設定できるか
  • 管理者が設定状況を確認できるか
  • 組織全体で必須化できるか
  • 紛失時の復旧方法が用意されているか
  • プランによって利用条件が変わるか

freeeではログイン時の二要素認証を利用できます。一方、事業所単位での必須化には対象プランなどの条件があるため、利用予定の契約で必要な管理ができるか確認が必要です。freeeの二要素認証に関する公式ヘルプ

3.ユーザー権限と操作履歴を管理できるか

経理担当者、経営者、税理士、外部委託先では、必要な操作範囲が異なります。
次のような管理が可能か確認しましょう。

  • 閲覧・入力・承認・管理などの権限を分けられるか
  • ユーザーの追加や削除を管理者が行えるか
  • 操作履歴を確認できるか
  • 退職者のアクセスを速やかに停止できるか

権限管理機能は製品やプランによって異なる可能性があります。法人で複数人が利用する場合は、料金だけでなく管理機能も比較してください。

4.バックアップと復旧方法が明確か

「自動バックアップあり」という表記だけで判断せず、次の点まで確認します。

  • バックアップの対象
  • 保存期間や保存場所
  • 障害発生時の復旧方針
  • 利用者が自分でデータを出力できるか
  • 出力可能なファイル形式
  • 解約後もデータを取得できるか

クラウド上のバックアップと、利用者が保持する控えは目的が異なります。法令上必要な帳簿や証憑の保存については、会計ソフトの機能だけで判断せず、公式情報や税理士などの専門家に確認してください。

5.第三者認証や監査報告書の対象を確認できるか

ISO/IEC 27001などの認証やSOC報告書は、サービス提供会社の管理体制を判断する材料になります。
ただし、会社全体が対象なのか、特定の事業所・サービスだけが対象なのかによって意味が異なります。取得の有無だけでなく、適用範囲と有効期間を確認してください。
マネーフォワードは、セキュリティ対策やSOC報告書の対象サービス・対象期間などを公式ページで公開しています。契約予定の会計サービスが対象に含まれるかは、最新の表記を個別に確認しましょう。マネーフォワード クラウドのセキュリティ対策
弥生も、ISO 27001の認証や対象製品を含むセキュリティ態勢チェックリストを公開しています。弥生のセキュリティ態勢チェックリスト

6.障害やインシデントの告知体制があるか

問題を完全に防げるかだけでなく、発生時にどのように知らせ、復旧するかも重要です。

  • 稼働状況を確認できるページがあるか
  • 障害やメンテナンスの告知方法
  • セキュリティ問題が発生した場合の連絡窓口
  • 復旧状況や再発防止策の公開方針

導入前に公式のお知らせや稼働状況ページを確認し、問題発生時の社内連絡先も決めておきましょう。

7.利用規約と解約後のデータ取扱いを確認できるか

セキュリティページだけでなく、利用規約やプライバシーポリシーも確認します。
特に重要なのは次の項目です。

  • データの利用目的
  • 外部委託や第三者提供に関する条件
  • 保管場所や保管期間に関する説明
  • 解約後の閲覧・保存・削除条件
  • データを出力する方法

法人契約や個人情報の取扱いに関する条件は、企業や利用方法によって判断が変わる可能性があります。必要に応じて自社の情報セキュリティ担当者や専門家へ確認してください。

クラウド型とインストール型はどちらが安全?

どちらか一方が必ず安全とは限りません。管理方法と利用環境によって適した選択が異なります。

比較項目クラウド型インストール型
ソフトの更新提供者側で実施される場合が多い利用者側で更新が必要
データの保存提供者の環境に保存端末や社内環境に保存
バックアップ提供者の方針と出力方法を確認自社で保存先と手順を設計
端末故障時別端末から利用できる場合がある端末保存では復旧対策が重要
障害時通信環境や提供者の復旧に依存端末や社内設備の復旧に依存
管理上の注意認証・権限・契約条件を確認更新・端末保護・バックアップを管理

クラウド型は更新やバックアップの一部を提供者に任せられる可能性がある一方、アカウント管理や通信環境への対策が必要です。
インストール型はデータを自社で管理しやすい反面、更新やバックアップを怠るとリスクが高まる可能性があります。
自社でどこまで管理できるかを基準に選びましょう。

会計ソフトを料金・機能・利用者別に比較したい方は、「クラウド会計ソフトおすすめ比較」をご確認ください。

主要会計ソフトを比較するときの確認表

以下の表を使い、各社の公式サイトで最新情報を確認してください。

確認項目見るポイント公式情報での確認先
暗号化通信・重要情報の保護方針セキュリティページ
追加認証二要素認証、必須化、復旧方法公式ヘルプ
権限管理役割別の権限、操作履歴機能一覧・管理者向けヘルプ
バックアップ対象、保存、復旧、出力方法ヘルプ・利用規約
第三者評価認証名、対象範囲、有効期間セキュリティページ
障害対応稼働状況、連絡方法、復旧方針ステータス・お知らせ
解約後の取扱い閲覧期間、出力期限、削除条件利用規約・解約ヘルプ

確認項目の一部だけを見て、安全性を順位付けするのは避けましょう。事業規模、扱う情報、利用人数、社内ルールによって必要な対策が異なります。

利用者側で実施したい7つのセキュリティ対策

サービスを選んだ後は、利用者側でも次の対策を行います。

  1. 二要素認証を設定する
  2. 長く推測されにくいパスワードを使い、他サービスと使い回さない
  3. 従業員ごとにアカウントを発行し、共有アカウントを避ける
  4. 業務に必要な範囲だけ権限を付与する
  5. 退職・異動・委託終了時にアクセス権を見直す
  6. OS、ブラウザ、セキュリティソフトを更新する
  7. 必要なデータを定期的に出力し、復旧できるか確認する

IPAは、中小企業や個人事業主も対象とした情報セキュリティ対策ガイドラインと、クラウドサービス安全利用の手引きを公開しています。社内ルールを作る際の参考になります。IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」

会計ソフト導入前のセキュリティチェックリスト

候補の会計ソフトについて、次の項目を確認してください。

  • □ 公式のセキュリティ説明を確認した
  • □ 二要素認証などの追加認証を利用できる
  • □ 利用者ごとに必要な権限を設定できる
  • □ 操作履歴の確認方法を把握した
  • □ バックアップと復旧方法を確認した
  • □ 自分でデータを出力できる
  • □ 第三者認証の対象範囲と期間を確認した
  • □ 障害情報の確認先を把握した
  • □ 解約後のデータ取扱いを確認した
  • □ 退職者や委託先のアカウントを削除する手順を決めた

すべての項目が同じ水準で揃うとは限りません。満たしていない項目がある場合は、代替手段を用意できるか、導入前に提供会社へ問い合わせましょう。

会計ソフトのセキュリティに関するよくある質問

クラウド会計に銀行のログイン情報を登録しても大丈夫ですか?

各サービスが公開している暗号化や情報管理の説明を確認したうえで判断してください。登録方式や対象金融機関によって取扱いが異なる可能性があります。二要素認証など、銀行側で利用できる対策も有効にしましょう。

無料プランと有料プランで安全性は変わりますか?

基本的な保護方針が共通でも、権限管理や認証の必須化などの管理機能がプランによって異なる可能性があります。利用予定プランの機能表と公式ヘルプを確認してください。

二要素認証を設定すれば十分ですか?

二要素認証は不正ログイン対策の一つですが、それだけで十分とは限りません。端末管理、権限設定、アカウントの棚卸し、バックアップなども組み合わせる必要があります。

クラウド会計でも自分でバックアップすべきですか?

重要な帳簿や証憑については、出力方法と復旧方法を確認しておくと安心です。ただし、必要な保存期間や形式は利用状況によって異なるため、公式情報や専門家に確認してください。

従業員が退職したときは何をすべきですか?

退職者のアカウント停止または削除、権限の見直し、共有パスワードの変更などを速やかに行います。実際の操作方法は利用サービスの公式ヘルプを確認してください。

セキュリティ認証を取得しているサービスなら安全ですか?

認証は管理体制を評価する重要な材料ですが、事故が起きないことを保証するものではありません。認証の対象範囲や期間を確認し、利用者側の対策も行いましょう。

サービス障害に備えて何を準備すべきですか?

障害情報の確認先、緊急時に必要な帳簿の保存場所、データの出力方法、問い合わせ先を整理しておきましょう。一定時間サービスを利用できない場合の業務手順も決めておくと安心です。

まとめ|安全という言葉より確認項目で判断しよう

会計ソフトのセキュリティは、「大手だから安全」「クラウドだから危険」といった一面的な判断では決められません。
導入前に確認したいのは、次の7項目です。

  1. 暗号化
  2. 二要素認証などの追加認証
  3. ユーザー権限と操作履歴
  4. バックアップと復旧方法
  5. 第三者認証や監査報告書
  6. 障害・インシデントの告知体制
  7. 利用規約と解約後のデータ取扱い

サービス側の対策と利用者側の運用を組み合わせ、自社に必要な水準を満たしているか判断しましょう。

次に、クラウド会計ソフト比較で候補を絞り、各社公式サイトで最新のセキュリティ情報・料金・利用条件をご確認ください。

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