会計ソフトを乗り換える手順|データ移行前後のチェックリスト

会計ソフトの乗り換えとデータ移行の確認手順 会計ソフト

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本記事にはアフィリエイト広告を含む場合があります。掲載内容は広告単価ではなく、移行方式、引き継ぐデータ、確認手順、公式サポートを基準に整理しています。移行機能・対応製品・支援条件は2026年9月11日に各社公式情報で確認しました。仕様は変更される可能性があるため、作業前に必ず移行元・移行先双方の公式情報をご確認ください。

会計ソフトの乗り換えは、旧ソフトのバックアップ、科目の対応表、少量データでのテスト、本移行後の残高照合という順番で進めます。

データをインポートできただけでは、乗り換え完了ではありません。勘定科目や税区分が意図どおりに変換され、開始残高と当期仕訳が重複せず、旧ソフトと新ソフトの試算表が一致して初めて切り替えられます。

基本の手順は次の7段階です。

  1. 乗り換える目的と責任者を決める
  2. 切替日と移行方式を決める
  3. 移行するデータと旧ソフトに残すデータを棚卸しする
  4. バックアップと必要な帳票を出力する
  5. 科目・税区分などの対応表を作り、テスト移行する
  6. 本番データを取り込み、銀行・カードなどを再設定する
  7. 試算表、残高、仕訳件数を照合して切り替える

決算後の期首に切り替える方法だけでなく、期中に当期仕訳を移す方法もあります。ただし、適した方法は移したい年度、仕訳量、税理士との分担、旧ソフトの契約更新時期によって異なります。

重要
「仕訳を移せる」ことと、「証憑、固定資産、請求書、銀行連携、自動仕訳ルール、承認履歴まで同じ状態で移せる」ことは別です。移行対象を、自動移行・CSV移行・手動再設定・旧環境で保管の4つに分けてください。

CTA①:まだ移行先が決まっていない方へ
先に事業形態と運用条件から候補を絞りましょう。クラウド会計ソフトの総合比較個人事業主向け会計ソフト比較法人向け会計ソフト比較で確認できます。

  1. 会計ソフトの乗り換えは7ステップで進める
    1. 1. 乗り換える目的と責任者を決める
    2. 2. 切替日と移行方式を決める
    3. 3. 移行するデータを棚卸しする
    4. 4. バックアップと帳票を出力する
    5. 5. 対応表を作り、テスト移行する
    6. 6. 本番データを取り込み、連携を再設定する
    7. 7. 数字を照合して切り替える
  2. 会計ソフトを乗り換える時期と3つの移行方式
    1. 期首残高だけを引き継ぐ方法
    2. 期中に当期仕訳を移す方法
    3. 複数年度の仕訳を移す方法
    4. 「決算後なら必ず安全」とは限らない
  3. 会計ソフトから引き継ぐデータ一覧
    1. 仕訳・開始残高・勘定科目
    2. 補助科目・税区分・部門・取引先
    3. 固定資産・売掛買掛・未決済データ
    4. 証憑・請求書・自動仕訳ルール
  4. 移行前に必ず出力・保存するもの
  5. データ変換で確認する項目
    1. 勘定科目・補助科目の対応
    2. 税区分・税込税抜・端数処理
    3. 取引先・部門・タグの置き換え
    4. ファイル形式
  6. freee・マネーフォワード・弥生への移行方法
    1. freee会計へ移行する場合
    2. マネーフォワード クラウド会計へ移行する場合
    3. 弥生シリーズへ移行する場合
    4. 公式の移行支援・代行を使う判断
  7. テスト移行で確認する10項目
  8. 本移行後に数字を照合する方法
    1. 同じ日付・期間で帳票を出す
    2. 重点科目から確認する
    3. 差異を記録する
  9. 会計ソフト乗り換えでよくある失敗
    1. バックアップ前に旧ソフトを解約する
    2. すべてのデータが移ると思い込む
    3. 開始残高と仕訳を重複させる
    4. 銀行・カード明細を二重登録する
    5. 税区分や補助科目を見落とす
    6. エラー行だけ確認し、除外行を見ない
    7. 税理士へ事後報告する
  10. 個人事業主と法人で異なる確認点
    1. 個人事業主
    2. 法人
    3. 法人成りは通常の乗り換えと分ける
  11. 会計ソフトの乗り換えに関するFAQ
    1. Q. 会計ソフトは期中でも乗り換えられますか?
    2. Q. 過去何年分のデータを移すべきですか?
    3. Q. CSVで何を移行できますか?
    4. Q. 仕訳を移さず開始残高だけでもよいですか?
    5. Q. データ移行にはどれくらいかかりますか?
    6. Q. 旧ソフトはいつ解約すべきですか?
    7. Q. 税理士へはいつ相談すべきですか?
    8. Q. データ移行代行を使うべきですか?
  12. まとめ|照合が終わるまで旧ソフトを残す

会計ソフトの乗り換えは7ステップで進める

乗り換え作業を始める前に、「誰が、いつまでに、何を移し、誰が確認するか」を決めます。担当者の記憶だけで進めず、移行台帳を作ると抜けを減らせます。

ステップ主な作業完了の目安
1. 方針決定目的、責任者、期限を決める承認者まで決まっている
2. 方式決定切替日、対象年度、移行方式を決める新旧の記帳境界が明確
3. 棚卸し会計・証憑・連携・権限を一覧化移行方法を4区分できた
4. 保全バックアップ、帳票、元CSVを保存旧環境なしでも確認可能
5. テスト対応表を作り、少量で取り込む変換とエラーを確認済み
6. 本移行全件取込、連携・権限を再設定除外行も確認済み
7. 照合試算表、残高、件数を比較差異ゼロまたは理由が明確

1. 乗り換える目的と責任者を決める

最初に、なぜ会計ソフトを変えるのかを一文で書き出します。

  • 記帳時間を減らしたい
  • 税理士と同じソフトにそろえたい
  • 請求・経費・給与との連携を改善したい
  • 複数人で権限や承認を管理したい
  • 現在の料金やサポートを見直したい

目的が曖昧だと、移行後も旧ソフトと同じ運用を再現するだけになりがちです。一方で、移行と業務改善を同時に広げすぎると、数字が合わない原因を特定しにくくなります。

まず帳簿を正しく再現し、その後に自動仕訳や承認フローを改善する二段階方式が管理しやすいでしょう。

2. 切替日と移行方式を決める

「何月何日までを旧ソフトで記帳し、いつから新ソフトで記帳するか」を決めます。切替日をまたぐ未処理取引、銀行明細、カード明細、請求書があるため、日付だけでなく処理担当も決めてください。

3. 移行するデータを棚卸しする

仕訳以外に、開始残高、勘定科目、補助科目、取引先、部門、固定資産、証憑、銀行連携、ユーザー権限などがあります。

各項目を次の4つに分けます。

  • 自動または専用機能で移行する
  • CSVなどのファイルで移行する
  • 新ソフト側で手動設定する
  • 旧ソフトや別媒体で保管する

4. バックアップと帳票を出力する

元データを加工する前に、変更していないファイルを保存します。ファイル名には、製品名、対象期間、出力日を入れましょう。

例:old-accounting-journal_2026-01-01_2026-08-31_2026-09-11.csv

仕訳CSVだけでなく、同じ基準日の試算表や補助元帳も出力します。移行後の正解データとして照合に使うためです。

5. 対応表を作り、テスト移行する

旧ソフトと新ソフトでは、同じ意味でも科目名、税区分、部門、取引先などの表記が異なる場合があります。

「旧ソフトの値」「新ソフトの値」「変換理由」「確認者」を並べた対応表を作り、まず1か月分などの小さな範囲で試します。いきなり全件を入れると、誤った変換を大量に修正することになりかねません。

6. 本番データを取り込み、連携を再設定する

テスト結果を確認したら本番データを取り込みます。成功件数だけでなく、エラー件数、除外件数、警告、変換された値を記録してください。

銀行・カード連携は、取得開始日によって移行済みの仕訳と明細が重複する可能性があります。どこまでをCSVで移し、どこからを連携明細で処理するか決めます。

7. 数字を照合して切り替える

旧ソフトと新ソフトで同じ日付・期間の帳票を出し、次を確認します。

  • 貸借対照表と損益計算書の各科目残高
  • 現金、普通預金、売掛金、買掛金、借入金などの補助残高
  • 仕訳件数と借方・貸方の合計
  • 消費税区分と税額
  • 未決済取引、固定資産、部門別残高

差異がある場合は、新ソフトの数字を直接上書きして終わらせず、原因と修正仕訳を記録します。実施者とは別の確認者が承認できれば、見落としを減らせます。

会計ソフトを乗り換える時期と3つの移行方式

会計ソフトの乗り換え方は、主に3つあります。

移行方式向いている状況主に移すデータ注意点
期首残高から開始新年度から切り替える開始残高、マスタ過去明細の閲覧方法が必要
期中に切替年度途中で変更したい開始残高、当期仕訳二重計上と連携開始日に注意
複数年度を移行新ソフトで過去比較したい最古年度の残高、各年仕訳変換・照合工数が増える

期首残高だけを引き継ぐ方法

前期までを旧ソフトで確定し、新年度の開始残高から新ソフトを使う方法です。過去の仕訳明細を新ソフトへ入れないため、作業量を抑えやすい一方、過年度の検索や比較は旧ソフトまたは出力帳票で行います。

この方法を選ぶ場合は、旧ソフトを解約した後も必要な帳簿と証憑を確認できるかが重要です。

期中に当期仕訳を移す方法

期首残高と、期首から切替日までの仕訳を新ソフトへ移します。

freeeの公式ヘルプでは、他社ソフトから期中に乗り換える場合などに仕訳インポートが必要と案内されています。マネーフォワードの公式FAQでも、期首日の開始残高と期中の仕訳を取り込む方法が案内されています。

期中移行では、開始残高に相当する仕訳を当期仕訳へ含めないよう注意します。また、切替日以降に旧ソフトへ追加された仕訳がないか確認してください。

複数年度の仕訳を移す方法

過年度比較や検索を新ソフトへまとめたい場合は、複数年度を移します。便利になる反面、年度ごとの税区分、科目変更、部門変更、決算整理仕訳も扱う必要があります。

マネーフォワードの公式ガイドでは、複数年度を移行する場合、最古の会計年度の開始残高を設定し、翌年度以降は次年度繰越を使う手順が案内されています。製品ごとに進め方が異なるため、対象年度を決めて公式手順を確認してください。

「決算後なら必ず安全」とは限らない

期首は境界を作りやすい時期ですが、決算・申告が未確定なら、後から前期残高が変わることがあります。契約更新を急ぐあまり、確定前の数字で移行しないようにしましょう。

税理士へ決算を依頼している場合は、切替日、移行年度、元データの形式、確定後の修正方法を事前に相談してください。

会計ソフトから引き継ぐデータ一覧

移行対象は「会計データ」と「周辺設定」に分けると整理しやすくなります。

対象主な移行方法確認ポイント
開始残高CSV・手入力基準日、借貸一致、補助・部門別残高
仕訳専用機能・CSV期間、件数、決算仕訳、重複
勘定・補助科目CSV・手動名称、分類、税区分、集約・分割
取引先・部門・タグCSV・手動コード、名称、階層、重複
固定資産CSV・手動取得日、取得価額、償却累計額
売掛・買掛等仕訳・残高・手動相手先別残高、消込状態
証憑個別移行・別保管添付、検索情報、訂正削除履歴
銀行・カード新規連携取得開始日、二重計上、認証
自動仕訳ルール手動再設定が中心条件、優先順位、意図しない登録
ユーザー・権限手動再設定退職者、承認者、管理者権限

「主な移行方法」は一般的な整理です。実際に移せるデータと方法は、移行元・移行先・製品・プランで異なります。

仕訳・開始残高・勘定科目

仕訳だけ移しても、科目体系や開始残高が適切でなければ帳票は再現できません。

特に期中移行では、開始残高と期首以降の仕訳がセットです。ただし、CSV内に開始仕訳が含まれている状態で別途開始残高を登録すると、重複する可能性があります。

補助科目・税区分・部門・取引先

科目名が同じでも、補助科目、税区分、部門が欠けると管理資料や消費税集計へ影響します。旧ソフトで独自コードを使っている場合は、新旧対応表を残してください。

固定資産・売掛買掛・未決済データ

固定資産は取得価額だけでなく、取得日、耐用年数、償却方法、期首帳簿価額、償却累計額などを確認します。

売掛金や買掛金は総額が一致しても、取引先別・請求書別の未決済状態が再現されていないことがあります。残高試算表だけでなく、補助元帳や未決済一覧も比べましょう。

証憑・請求書・自動仕訳ルール

仕訳CSVに、領収書画像、請求書PDF、承認履歴、自動仕訳ルールまで含まれるとは限りません。会計帳簿と電子取引データの保存要件は同一とは限らないため、解約前に保管方法を確認します。

国税庁は法人の帳簿・書類について、原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年間の保存を案内しています。個人事業主は申告区分や書類によって保存期間が異なるため、国税庁の案内や税理士へ確認してください。

移行前に必ず出力・保存するもの

旧ソフトを解約する前に、少なくとも次を確認します。

  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳
  • 残高試算表
  • 貸借対照表・損益計算書などの決算書
  • 補助元帳、売掛・買掛残高一覧
  • 固定資産台帳と減価償却資料
  • 消費税区分別の集計資料
  • 取引先・部門・科目の一覧
  • 領収書、請求書などの証憑
  • 加工前の元CSV、加工後CSV、インポート結果

CSVは再利用しやすい一方、画面上のすべての情報や関係性を保持するとは限りません。PDF帳票も合わせて保存し、「当時の確定帳簿」と「再取込可能なデータ」の両方を残します。

解約前チェック
解約後の閲覧可否、閲覧できる期間、エクスポート機能、添付証憑へのアクセス、再契約時のデータ状態を公式規約・ヘルプで確認してください。照合が終わるまでは旧ソフトへのアクセスを維持するのが安全です。

データ変換で確認する項目

勘定科目・補助科目の対応

旧ソフトの独自科目を、新ソフトのどの科目へ対応させるか決めます。複数の科目を一つへまとめる場合は、後から内訳を追えるかも確認してください。

科目名だけで判断せず、貸借対照表・損益計算書のどこへ表示されるか、消費税区分の初期値がどうなるかを見ます。

税区分・税込税抜・端数処理

課税、非課税、不課税、対象外などの表現やコードが異なる場合があります。税込・税抜の設定、税率、インボイス区分、端数処理も確認します。

税務上の扱いに迷う仕訳は、変換ルールを自己判断で一括適用せず、税理士等へ確認してください。

取引先・部門・タグの置き換え

同名の取引先、表記ゆれ、廃止部門があると、重複登録や意図しない集約が起こります。移行前にコードと名称を整理し、旧値と新値を一対一で記録します。

ファイル形式

文字コード、区切り文字、日付形式、必須列、金額の符号、空行、見出し行に注意します。ExcelでCSVを開いて保存し直すと、先頭ゼロや日付表現が変わることもあります。加工前のファイルを必ず別に残してください。

freee・マネーフォワード・弥生への移行方法

3社とも仕訳を取り込む手段がありますが、操作や対象範囲は同じではありません。

移行先公式に確認できる主な経路作業前の確認点
freee会計他社会計ソフトインポート等科目・補助・税区分・タグ等の事前設定
MFクラウド会計他社ソフトデータの移行、汎用形式移行元別の科目・残高対応、年度
弥生会計 NextCSV・テキスト形式のインポート弥生形式、対象データ別の記述形式

freee会計へ移行する場合

freeeの公式ヘルプでは、他社製品やExcel等の仕訳データを「他社会計ソフトインポート」から取り込む方法が案内されています。アップロード後に列を割り当て、未登録の勘定科目・補助科目・税区分などを設定します。

また、勘定科目・補助科目のCSV移行に関する専用ガイドもあります。期中から乗り換える場合は仕訳インポートが必要になるケースが示され、期首から記帳し、前期データを別途参照できれば仕訳移行が不要となる考え方も案内されています。

作業前に、freee「その他の会計ソフトから仕訳データを移行する」で最新手順を確認してください。

マネーフォワード クラウド会計へ移行する場合

公式の「他社ソフトデータの移行」画面では、対象として表示されるソフトから仕訳を取り込めます。一方、勘定科目と開始残高のインポートは、移行元ソフトによって対応状況が異なると案内されています。

一覧にない会計ソフトから移す場合は、勘定科目・補助科目、開始残高、仕訳を各フォーマットへ合わせる手順があります。開始残高に該当する仕訳がインポートファイル内に含まれる場合は削除するよう、公式ガイドで注意されています。

作業前に、マネーフォワード「他社ソフトデータの移行」の使い方と、移行元別のガイドを確認してください。

弥生シリーズへ移行する場合

弥生会計 Nextの公式サポートでは、CSVまたはテキスト形式の仕訳データをインポートできると案内されています。freee会計やマネーフォワード クラウド会計から移す場合、弥生会計形式でエクスポートすると、記述形式を編集せず取り込めるケースも示されています。

仕訳、期首残高、固定資産では必要な項目や形式が異なります。利用する弥生製品を明確にし、弥生会計 Next「仕訳データをインポートする」と各データの記述形式を確認してください。

公式の移行支援・代行を使う判断

次の条件に当てはまる場合は、自力移行だけでなく公式サポートや税理士、導入支援者への依頼も検討します。

  • 複数年度・大量仕訳を移す
  • 独自科目や補助科目が多い
  • 部門、固定資産、債権債務が複雑
  • 決算・申告期限が近い
  • 社内に照合できる人がいない

代行サービスがあっても、対象プラン、移行元ソフト、対象年度、移せるデータ、データ修正の範囲、料金は異なります。公式の最新条件を確認し、移行後の数字は自社または税理士が承認してください。

CTA②:候補2社の違いを確認
移行機能だけで決めず、移行後の料金・操作・運用も比較しましょう。freeeとマネーフォワードマネーフォワードと弥生弥生とfreeeの比較へ進めます。

テスト移行で確認する10項目

少量データを取り込んだら、次の10項目を記録します。

  1. 元ファイルの行数と取込成功件数
  2. エラー、警告、除外された行
  3. 借方・貸方の金額合計
  4. 勘定科目・補助科目の変換結果
  5. 税区分・税率・税額
  6. 取引先・部門・タグ
  7. 複合仕訳・決算整理仕訳
  8. 摘要、メモ、証憑の状態
  9. 未決済残高と消込状態
  10. 帳票を出力したときの残高

エラーが0件でも安心はできません。エラーにならず、別の科目へ自動変換される可能性もあるためです。金額の大きい仕訳、複合仕訳、消費税を含む仕訳、月末・期末の仕訳をサンプルへ含めましょう。

本移行後に数字を照合する方法

同じ日付・期間で帳票を出す

旧ソフトと新ソフトで、同じ開始日・終了日、同じ決算仕訳の扱いで帳票を出します。比較条件が違うと、正しく移行できていても数字は一致しません。

重点科目から確認する

最初に次の科目を確認すると、差異の原因を絞りやすくなります。

  • 現金・普通預金:開始残高、未登録明細、二重取込
  • 売掛金・買掛金:取引先別残高、消込状態
  • 借入金:元本残高、返済仕訳
  • 仮払金・仮受金:未処理残高
  • 固定資産:取得価額、償却累計額
  • 売上・仕入・経費:期間、税区分、決算仕訳

差異を記録する

照合表には、旧残高、新残高、差額、原因、修正方法、実施者、確認者を記録します。

差異がある状態で、新ソフトの残高を旧ソフトに合わせるだけの仕訳を入れると、根本原因が残ります。開始残高の重複、対象期間の違い、エラー行、科目変換、銀行連携の重複を先に調べてください。

会計ソフト乗り換えでよくある失敗

バックアップ前に旧ソフトを解約する

解約後に出力機能や証憑へアクセスできないと、照合や税務確認が難しくなります。必要帳票、元CSV、証憑、契約条件を確認してから解約します。

すべてのデータが移ると思い込む

仕訳が移っても、証憑、請求書、固定資産、部門階層、自動仕訳ルール、ユーザー権限が移るとは限りません。対象ごとに移行方法を決めましょう。

開始残高と仕訳を重複させる

開始残高を登録し、同じ金額を含む開始仕訳も取り込むと、残高が二重になる可能性があります。ファイルの先頭・期首日付の仕訳を確認してください。

銀行・カード明細を二重登録する

CSVで移した仕訳と、自動連携で取得した明細の両方を登録すると二重計上になります。連携の取得開始日と処理担当を決めます。

税区分や補助科目を見落とす

損益合計が一致していても、税区分、取引先別残高、部門別損益が崩れていることがあります。総額だけでなく内訳を比較してください。

エラー行だけ確認し、除外行を見ない

インポート画面でエラーにならなくても、空行や対象外行が取り込まれないことがあります。元ファイルの件数と取込後の件数を比較します。

税理士へ事後報告する

税理士が旧ソフトで決算調整を続けている間に新ソフトへ切り替えると、修正版データの反映方法が複雑になります。切替前に作業分担と確定日を共有しましょう。

個人事業主と法人で異なる確認点

個人事業主

事業主貸・事業主借、家事按分、青色申告決算書または収支内訳書、確定申告データを確認します。プライベート口座を連携している場合は、移行後の取得範囲にも注意してください。

個人向け製品の違いは、個人事業主向け会計ソフト比較で確認できます。

法人

部門、承認、固定資産、売掛・買掛、借入金、純資産、決算整理仕訳、税理士との権限分担を重点的に確認します。

複数人で使う場合は、移行データだけでなくユーザー追加、退職者削除、管理者権限、月締めの再設定も必要です。詳しくは法人向け会計ソフト比較をご覧ください。

法人成りは通常の乗り換えと分ける

個人事業を法人へ切り替える「法人成り」は、単に同じ事業者のソフトを変更する作業ではありません。個人と法人は別の帳簿として扱い、資産・負債の引継ぎや開始残高を税理士等へ確認してください。

会計ソフトの乗り換えに関するFAQ

Q. 会計ソフトは期中でも乗り換えられますか?

A. 期首の開始残高と、期首から切替日までの仕訳を新ソフトへ反映できれば、期中乗り換えは可能です。ただし、開始残高の重複、銀行連携の取得開始日、未確定仕訳に注意し、移行先の公式手順を確認してください。

Q. 過去何年分のデータを移すべきですか?

A. 新ソフトで過年度比較・検索を行う必要があるか、移行工数、旧ソフトの閲覧方法で決めます。過去明細を旧環境や出力帳票で確認できるなら、開始残高だけで運用できる場合もあります。

Q. CSVで何を移行できますか?

A. 仕訳、勘定科目、補助科目、開始残高などを取り込める製品があります。ただし、移行元・移行先によって対象は異なり、証憑、自動仕訳ルール、権限までCSVで移せるとは限りません。

Q. 仕訳を移さず開始残高だけでもよいですか?

A. 新年度から記帳し、過去明細を旧ソフトや保存帳票で確認できるなら選択肢です。比較帳票や過年度検索を新ソフトで行いたい場合は、過去仕訳の移行も検討します。

Q. データ移行にはどれくらいかかりますか?

A. 仕訳数、年度数、独自科目、部門、固定資産、エラー修正、確認者の体制で変わるため、一律には決められません。本番前に少量テストを行い、作業時間とエラー率を測って見積もりましょう。

Q. 旧ソフトはいつ解約すべきですか?

A. 必要データと帳票を保存し、本移行後の残高・件数・税区分等を照合し、関係者が承認した後が基本です。解約後の閲覧条件も事前に公式情報で確認してください。

Q. 税理士へはいつ相談すべきですか?

A. 移行方式と切替日を決める前に相談するのが安全です。決算・申告中、税区分の変換が多い、開始残高が確定していない、法人成りを伴う場合は特に事前確認が重要です。

Q. データ移行代行を使うべきですか?

A. 複数年度、大量仕訳、複雑な部門・固定資産があり、社内で変換・照合できない場合は検討価値があります。ただし、代行対象外のデータや修正作業もあるため、範囲と納品後の確認責任を明確にしてください。

まとめ|照合が終わるまで旧ソフトを残す

会計ソフトの乗り換えは、次の順番で進めます。

  1. 目的、責任者、切替日を決める
  2. 移行方式と対象年度を選ぶ
  3. 移行対象を4区分で棚卸しする
  4. バックアップ、帳票、元CSVを保存する
  5. 科目・税区分等の対応表を作る
  6. 少量テスト後に本番移行する
  7. 同じ基準日の試算表・残高・件数を照合する

最も避けたいのは、旧ソフトを先に解約し、正しい数字や証憑へ戻れなくなることです。インポートの完了表示ではなく、残高照合と関係者の承認を移行完了の基準にしてください。

CTA③:次の一歩
移行先が未決定なら、クラウド会計ソフトの総合比較で候補を絞りましょう。候補が決まっている方は、移行元ソフト名を含む各社の公式ガイドを確認し、少量データでテストしてから本移行へ進んでください。

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